相続において、まず大切なことは、亡くなった人の財産とは預貯金や株券、不動産や車などの財産を把握すること。借金やローン、損害賠償責任などのマイナスの財産も含めてです。いい加減な調査では申告した後にトラブルの引き金になりかねません。どんな相続財産があって、いくらの価値があるか。これを調査することが相続においてはとても重要なのです。全てを把握することは、分割協議を円滑に進める大切な要素なのです。
預貯金
預貯金は通帳を必ず記帳しに行くか、銀行などの窓口で残高を聞きます。そのとき亡くなった人との関係を示す戸籍謄本等が必要になります。
株式
株式も価格の評価が難しいものの一つです。上場株式であれば一定期間の平均価格や、相続日・相続の月・相続の前々月の最低価格を採用します。店頭登録株であれば公表されている類似業種の価格の平均を採用します。非上場株式の場合は、その会社の事業内容や経営状況を勘案して相続人で協議のうえ決める場合が多いです。
不動産
不動産はその不動産を管轄する法務局で不動産登記簿謄本を取ります。不動産の登記簿は公開されていますので、誰でも請求できます。
動産
動産とは、「動かせる資産」の略称です。言い換えれば不動産と金融資産以外のすべての財産を指します。自動車、貴金属、家電、美術品など。自動車や家財の価値調査は比較的容易ですが、美術品などの場合は専門家の力が必要不可欠です。
生命保険
亡くなった人に生命保険が掛けられている場合に、この保険金は相続財産になるかどうかはケースバイケースです。保険金の受取人が亡くなった人ならば相続財産になります。受取人が他の人ならばその受取人のもので、相続財産ではありません。つまり相続財産ではないので遺産分割協議の対象にはなりません。