相続法(そうぞくほう ※民法第5編【相続】で規定されている条文の総称)とは、民法第882~1044条に収められている「総則」「相続」「遺言」「遺留分」の4つを基本に組み立てられています。
誰しもが生きている限り、必ず何かしらの私的な財産(現金・預貯金・動産など)を持っています。財産所有者が死亡した場合、その財産は誰かに受け継がれることになりますが、相続財産はなにもせずともに手に入る性質があるため、遺産が高額であるほど誰がどの程度相続するかについて、親族間の揉め事が起こりやすくなる傾向にあります。
まずは相続に向けて最低限知っておくべき法の知識を紹介しましょう。遺産相続は当然ながら法律の上に成り立っています。ですから、相続法を知っておくことは遺産相続を円滑に進める上で必ず力になってくれるはずです。
相続人について
相続人について定められているのは第886条から第895条です。この章では、財産を相続できる権利者(相続人)になるのは、誰がなれるのかについて規定されています。
相続の効力について
相続の効力について定められているのは第896条から第914条です。この章では、相続人が被相続人の財産を相続によって承継する場合に発生する権利や義務について規定されています。具体的には、複数いる相続人が、それぞれ承継できる財産の割合などについて定められています。兄弟が多い場合に知っておくべきことといえます。
相続の承認・放棄について
相続の承認及び放棄について定められているのは第915条から第940条です。この章では、相続財産の内訳に応じて、相続人が相続するのか放棄するのかを選択する時に適応される法律について規定されています。プラスの財産よりマイナスの財産のほうが多い場合などは学ぶ必要があるといえるでしょう。
相続人の不存在について
相続人の不存在について定められているのは第951条から第959条です。この章では、相続財産が残っているものの相続人がおらず遺言も残されていない状況で、どのように手続きが行われるべきかについて定められています。言い換えれば法定相続人(親族)がいない場合に特別縁故者(内縁の妻など)が相続するケースに関して定めているのです。