被相続人の最後の意思とも言える遺言書。これには3種類があることをご存知でしょうか?残された側にしてみれば、内容が大切でどんな書き方・種類であろうとも同じように思うかもしれませんが、扱い方が大きく異なります。故意に隠したり、破いたりなど、扱い方を間違えれば無効になるだけでなく、相続欠格となり相続人から除外されるほか(民法第891条5号)、私用文書毀棄罪(刑法第259条)に問われることもあり得ます。故人の最後の意思である遺言書の扱いには十分な注意が必要です。
3つの遺言書
- 自筆証書遺言 被相続人が直筆で書く一般的な遺言書
- 公正証書遺言 法的効力が強い公証人が作成する遺言書
- 秘密証書遺言 被相続人が作成し、公証人が封印する珍しい遺言書
1. 自筆証書遺言
自筆証書遺言は被相続人が直筆で書いた遺言書です。多くの場合は封書となっており、発見した場合は裁判所での検認が必要となります。そのため、勝手に開封してしまうと罰金に課せられる可能性があります。検認の手続きは複雑かつ難易度が高いため、発見した場合は専門家に依頼することをお勧めいたします。
2. 公正証書遺言
公正証書遺言はその名の通り、公正人が作成し、その作成に証人(2名以上)が立ち会う遺言書です。作成時には法定相続人のほか、推定相続人などにも事前に内容が知らされているはずです。逆に言えば法定相続人であるにも関わらず、その存在を知らなければ無効になります。3つの遺言書の中で最もトラブルが少ない確実な遺言書と言えるでしょう。
3. 秘密証書遺言
秘密証書遺言を利用するケースは稀であり、その存在を知る方は少ないでしょう。証人(2名以上)と公証人が立ち会って作成・封書される遺言書でありながら、その名の通り、内容は公証人も知らされておらず、またその存在も秘密とされます。そのため発見時の扱いは 1. の自筆証書遺言と同様で、裁判所での検認が必要であり勝手な開封は禁じられています。発見した場合は専門家に依頼することをお勧めいたします。